Bloody Kiss♡
やっぱ、有り得ない‥
きっと、売れないマジシャンなんだ‥
売れなくて仕方なくホストをしているとか?
そっちの仕事の方が向いている自分が許せないとか?
だから、ココロの病気になって、自分を吸血鬼だと思い込んでいるとか?
その考えの方が、まだ現実味がある。
あれこれ思考を巡らせていると、睡魔が襲って来た。
小さくあくびをしたあと、ふんわりとミストに包まれたような心地好さを感じて、あたしはベッドに横たわった。
きっと日暮れまで、セトは起きて来ないはず‥
二部のホストなら、夜まで寝てるかもだし‥
「メイドかぁ‥。イヤやな‥。」
重くなる瞼に抗えず、あたしは目を閉じた。