Bloody Kiss♡
「お別れだ、ロナ。冬休みだけの約束通りな。」
「セト‥。」
「お前の恋人、アツヤに掛けた術は解けてる。悪いが、別れるよう小細工を施していたからな。今頃、アイツはお前の帰りを待ってるはずだ。さぁ行けよ。」
─ 行けって‥
そんなこと言われたって‥
「待ってよ!あたし、まだ聞いてない!なんで、セトが魔王を消したかったのか‥、なんで、ブラッディキスを欲しがったのか‥。あたし、何も聞いてない!なんの説明も無しに用が済んだら帰れって、失礼すぎるやん!!」
魔王の消滅が魔界の絶滅となるなら、この世界は直に消えてしまう。
セトもホルスも、異界へと消えてしまう。
その前に知りたかった。
ファミレスの倉庫で、セトが「裏切り者」だと知った時から感じていた疑問。
それを確かめたくて、あたしは、ここに来たんだ。
─ あなたは七海じゃないの?
「教えてよ!」
あたしは怒鳴った。