Bloody Kiss♡
「ちょ、待ってよ!分かった!呼ぶ!」
寝る前に着るべきだったと後悔した。
襲われる心配は無さそうなんて、買い被り過ぎだった。
「ん?なに?呼ぶ?」
「呼びます。呼ばせて頂きます!セト様!」
結局、降参する以外に道は無かった。
あたしは、宙に浮いたままのメイド服を掴んで自分の元に引き寄せた。
不意にクローゼットの扉が開き、白い下着が飛び出した。
そして、ベッドの上にストンと落ちた。
漆黒の瞳に戻ったセトは
「着替えろよ。ディナーの準備は出来てる。一階に降りて来い。」
と、満足そうな笑みで指示をして、踵を返した。
ふと、さっき見た金色の瞳が気になって
「ね、セト!あ、セト様!」
あたしは。咄嗟に彼を呼び止めていた。