Bloody Kiss♡
廊下も階段も全て大理石。
まるで、映画で観た貴族の豪邸みたいな装飾で、全てが煌びやかに飾られている。
「なんか、すごい‥。」
圧倒されながら、緩やかにカーブした階段を下り切った時
「お待ちしておりました。お嬢様。」
不意に声を掛けられ、振り向くと屈強そうな男が広いホールの隅に立っていた。
この家に、セト以外の誰かがいるなんて考えてもいなかった。
驚いたあたしは、ただ頷いただけで言葉が出なかった。
「ダイニングルームに ご案内いたします。どうぞ。」
丁寧な口振りでそう言うと、男はダイニングルームへと先導した。
「サイズはピッタリだな。」
大きなテーブルの上座から、セトがあたしを見つめた。