Bloody Kiss♡


こんな姿、ホルスにだって見られたくない。

心底 会わないよう願っていたのに、ずっと待機していたのかホルスは廊下に立っていて、めちゃめちゃ色っぽいはずのあたしを見ても、表情一つ変えなかった。


「お嬢様、着替えがお済みでございましたら、お部屋で読書をなさいませ。セト様からのご命令でございます。」

「はい?読書?」


セトの命令は “メイドになれ”だったはず。

なのに、あたしは何ひとつメイドらしい仕事を宛がわれていない。

それどころか、良家のお嬢様のような扱いで

「なんで読書なん?」

消化されない疑問を幾つも引きずったまま、ホルスのあとをついて二階のベッドルームへと向かった。


 
< 42 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop