Bloody Kiss♡
 

枕元には、分厚い書物。

読む気なんて全く無いけど、どんな内容なのか ちょっぴり気にはなった。


あたしは、俯せに寝転んで表紙を開いてみた。

「あれ?」

捲っても捲っても、ページは白紙ばかりで

「なに、これ‥。まさか、あぶり出し?」

パラパラと捲る内に、最後のページになった。


印字とは思えない赤黒い文字で、文章が書いてある。

思わず、その文字を目で追った。


────*────*────


月の女神を

ブラッディキスが選んだ時

全ては瞳に映り

繁栄と絶滅が訪れるであろう


────*────*────


「ブラッディキス‥?繁栄と絶滅‥?」


白紙ばかりの上に、訳の解らない予言。

ホルスを問い質そうと考えたのに、またミストに包まれたような心地好い感覚がやって来た。

「ねむ‥。」

あたしは、ゆらゆらと何かに誘(イザナ)われるように、深く眠りに堕ちた。


 
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