Bloody Kiss♡
「ちょ、ヤメてよ!」
焦ったあたしは、後ろ手に彼の手首を掴んだ。
目覚めた彼は、ちょっぴり怒った表情で
「ボディサイズ計ってんだから、邪魔するな。」
と、笑えない冗談を言ったあとベッドの端に視線を遣った。
「読めたか?あの本。」
その問い掛けが昨夜の書物を指していることは、すぐに分かった。
あたしは、意地悪く訊き返した。
「白紙のページを どうやって読むの?あれ、ノート?」
相変わらずの憎らしい笑みでセトが答える。
「かもな♪」
彼は、ベッドを下り
「陽が落ちたら起こしに来い。オレは地下室にいる。今からはホルスの言う通りに動け。分かったな。」
と、偉そうに指示をして部屋を出た。