Bloody Kiss♡
 

中世の欧州さながら装飾されつくした部屋の中、大きなテーブルで一人きりの朝食。

厚切りのベーコンを刺したフォークを口に運びながら、あたしは不満だった。


「ブラッディキスって、何よ‥。」


呟いたところで、壁際の甲冑は答えてくれない。

ハリーポッターのように肖像画がお喋りすることも‥。


ただ、ずっと平凡に生きてきたあたしの周りで、何か想像を超えたことが起ころうとしている。

まるでファンタジーの世界に迷い込んだように。


セトの不思議な力と、魔法の本。

彼を吸血鬼だと信じ出した今、そんな予感を感じていた。



 
< 50 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop