Bloody Kiss♡
程なくして、グラスを手に店長は戻って来た。
「そう言えば、相田くん‥。いや、ロナちゃんは彼氏いたっけ?」
話しながら対面したソファに腰掛け、店長は炭酸が泡立ったグラスに店のコースターを敷いて、あたしの前に差し出した。
「いえ‥。」
突然、名前で呼ばれたことに嫌悪を感じる。
「いただきます。」
あたしは、気にしないことにしてグラスを手に取り、ストローに唇を付けた。
「そっか。で?一人暮らしだったかな?」
まるでセクハラ親父みたい。
プライベートに関する質問を、またぶつけて来た。
「違います。てか、話ってシフトのことじゃなかったですか?」
感情が顔に出てしまうのは、あたしの悪い癖かもしれないけど、苛立ちをそのまま表情にして、店長に尋ねた。