Bloody Kiss♡
財力と言っても、所詮は親の金。
そのお金を餌に、あたしを釣ろうとする根性が気に食わない。
それに『アツヤを見返す』なんて、考えてもいなかった。
“見返したい”
そう思うことは、その関係に勝ち負けを作っているのと同じだと、あたしは思う。
一度は愛し合った相手に勝ったとか負けたとか、そんな哀しい感情を持つ必要がある?
確かに、アツヤを恨んだ。
感情的になり、死にたいと思う程に苦しかったけど
「あたし、彼には感謝もしてるんで見返したいとか思わないです。大体、そんな考え方してちゃ、オンナ磨けないと思うし‥。てか、もう帰りますね。お疲れ様でした!」
強く言い放って、席を立った瞬間
「待て!!」
店長は、あたしの手首を掴んだ。