Bloody Kiss♡
 

ぶっちゃけ、こんな痩せ細った男に負ける気はしなかった。

あたしのパパは空手家で、今は空手道場の塾長をしている。

弟のように空手界に身を投じることは無かったけど、あたしも幼い頃からパパに護身術を教わって来たんだ。


「やめてくださいっ!訴えますよ!!」


まだ僅かに残る理性で、捕まれた腕を振り解いた。

蹴りを一発入れてやりたいくらいの心境だけど、敢えて耐えた。


逆ギレした店長は

「訴えてみろよ。みーんなに、俺の悪口を言えよ。ここから逃げれたらの話だけどなぁ。」

と、浮世絵みたいな顔に下品な笑みを浮かべ、立ち上がった。


まるで、瞬間湯沸かし器。

体中の血液が全部、脳へと集まったみたいだった。


「黙れ!ぼけっ!誰に口聞いてんねんっ!」


あたしの怒りは、一気に爆発した。


 
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