Bloody Kiss♡
 

店長は怯んだ表情を見せた。

勢い付いたあたしは、彼を罵った。

「何が肉親愛しかないやねん!あほかっ!大体、そ-ゆこと言ってる男に魅力なんかあるか!ぼけっ!!」


不倫は恋愛なんかじゃない。

周りを傷付けてでも欲望を満たしたいなんて、自己中にもほどがある。

自制心をもてないだけの、とても幼稚で、とても愚かな行為だ。


「あたしがほんまにすきやったら、嫁と別れてから告りに来い!それが筋やろ!」

言いたい放題に怒鳴って出入口に向かおうとした時、

「あ‥。」

突如、頭がクラクラした。

足が震えて、立っていられなくなった。

あたしは床に倒れ込んだ。


「ほらほら、興奮するからクスリの効きが早まったんだよ。」

店長は厭らしい声で そう言うと、近付いて来た。


─ なんで‥?

  これ‥、なに‥?


テーブルが何重にも見えている。

深く睡魔が襲って来た。

あたしは、そのまま意識を失っていた。


 
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