Bloody Kiss♡
「セト!」
思わず叫んでいた。
ビックリしたと同時に、嬉しかった。
─ でも、なんで?
「なんで、分かったん‥?」
問い掛けると、セトは意地悪な笑みを見せ
「お前、馬鹿だから忘れてるかもしんねーけどさ、ケータイには盗聴器を仕掛けてあるって言っただろ。」
と、答えた。
あの時、ケータイを捨てたりしたら命の保証は無いって、彼は言った。
それは脅しじゃなくて、こういう意味だったの?
「それにしちゃ遅かったやん!もっと早く助けに来てよ!大体、馬鹿じゃないし!あほ!」
泣き顔になるあたしを見つめて、セトは意味有りげに微笑むと
「オレは魔物だぜ。ヒーロー性を期待されても困るな。それに、タダで助ける気は無い。」
って、言った。