青夏ダイヤモンド
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照らしつける太陽は容赦無くて、うだるような暑さだった。
他よりも少し高くなった、この場所は一層太陽が突き刺さる。
ただ、目が覚めるような青々とした空だけが救い。
目に入りそうになった流れる汗を拭い、前を見据えて顎を引く。
息を飲むような雰囲気と安堵感が混ざり合う異様な時間。
これで、終わり。
二本の指が白球を押し出した瞬間、いつもと違う感覚を味わったのは、この時、自分たった1人だったに違いない。
何故かその瞬間だけは、周りの音が遮断され、時間がひどくゆっくりと流れていくようだった。
まるで、自分1人が切り取られた世界に取り残されたように思えた。
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