青夏ダイヤモンド
途端に私は嫌悪感に苛まれた。
席を立つ時に見た彼の変な歩き方。
あれは、足を引きずっていたんじゃないだろうか。
「あ、こっち見た」
「や、やばいっ!もう、行こ!」
充希の手を引っ張ってグラウンド前を慌てて立ち去った。
一瞬しか合っていないのに、目が私を責めていたように感じた。
俺は足が痛いってのに、追い出しやがって。
そう言っているように思えた。
「で、都の好きな人が修なの?」
「違うって!」
バイトに行くという充希と途中で別れるまで、隠さず教えて、の姿勢を充希は崩さなかったけど、勿論、私は否定し続けた。