青夏ダイヤモンド
「美穂達と遊んでた時、誰かを外す時は必ずSNS上で始まってたから、知らないところで変な噂流すのは日常茶飯事だったの。そのターゲットが変わるだけ。それが嫌で、どうしたら抜け出せるんだろう、って考えた末に特進クラスなら絶対逃げられる、って思ってその一心だけで勉強したの。すっごい不順な動機でしょ?」
「動機なんて関係無いよ。どんな動機でも、目標を達成した充希はすごい」
ふわり、と暖かい風が充希の長い髪をさらう。
「私、カンニングなんてしてない」
「うん。知ってる」
充希は安堵したように息を吐き出し、ふふ、と笑う。
「都なら、そう言ってくれると思った」
「そう?」
「うん。都、美穂と直接対決したんだって?」
何でそれを知っているのか、と目を丸めると、充希は苦笑気味に「ごめん」と言った。
「沖田くんから聞いた」
「沖田くんともこの話、してたの?」
「結果的に。沖田くん、明らかに様子おかしかったから問いただしたの。そしたら白状した」
私も苦笑いしてしまう。
充希の耳に噂が入らないようにしたい、と言っていたのに、隠し通せなかったのね。