青夏ダイヤモンド


澄んだ空気が漂う早朝、いつもの時間にやって来た2両編成のオンボロ電車に乗り込む。

通勤通学の時間とあって、この時間は2両編成で20分置きに電車が走る。

普段は一両編成で1時間置きだ。

私はいつも登校時間に間に合う電車より2本前の電車に乗る。

そうすると、必ず席に座れるし、途中もあまり乗り込んで来ないから席を譲らずとも最後まで乗っていることができる。

4人向かい席は詰めればもちろん4人が座れるけど、他人と膝を付け合わせるように真正面に座ることの気まずさといったらない。

この時間なら4人席を広々と独り占めだ。

長い通学時間を使って、私は読書を楽しむ。

この本ももうすぐ下巻だ。

文庫本をすぐに広げて読書に集中する。


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