青夏ダイヤモンド


花火大会の後の登校日に、沖田くんと付き合い始めたことを充希から報告された。

「びっくりしたよ。全然気付かなかった」

「正直、沖田くんのことをそういう目で見たことなかったんだけど、真剣な告白を聞いてたら、私、こんな素敵な人に好きになってもらえたんだ、って思って、この人となら何でも楽しいんだろうなって思ったんだ」

充希が気付かないうちに、沖田くんのことを意識していたのではないか、というのは私の想像に過ぎない。

だけど、全くの妄想ではなかったように思う。

だからこそ、突然の告白でも沖田くんとの未来をその場で思い描けたのだろう。

沖田くんのことを思いながら話す今の充希の顔を見れば、もう沖田くんのことを好きなんだな、と思えた。

「都の方は?」

「わ、私?」

「結果的に2人にできたわけで、私としては何か進展あったんじゃないかと気になっていたんだけど?」

充希が沖田くんのことを話された後で隠すことも憚れて、私は口をもごもごとしながら要領の得ない文脈で報告を始めた。


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