青夏ダイヤモンド


後夜祭が全て終わる前に脩と2人で抜け出して、駅までは手を繋いで帰った。

特に話らしい話はしなかった、というかはっきりその時のことを覚えていない。

それ程、私の頭は混乱していたし、舞い上がっていた。

脩と別れた後にも何度も思い出しては嬉しくて仕方がなかった。

これが付き合い始めた、ということなんだろうか、とも思った。

だけど、脩の態度を見ていると、付き合い始めたということは私の勘違いではないかと思うようになった。

私は舞い上がっていたから気付かなかったけど、良く思い返せば、付き合おうと言ったわけでもない。

それに、脩が私を好きだとも言っていない。

キスをされたと思っていたけれど、日に日に幻だったかのように思えてしまい、尚更、脩との関係がわからなくなっていた。



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