青夏ダイヤモンド
食事をどれも美味しくて、最後に出てきたデザートプレートにも興奮した。
食べるのがもったいなくて、ちまちま食べていると、溶けるぞ、と脩に笑われた。
全部食べ終わってしまうとお腹は満たされたものの、幸せな時間がまた一つ、終わってしまったと名残惜しくなる。
「鷹野。これ」
テーブルの上で差し出したのは赤いリボンが飾られた紺色の長方形の箱。
「これ、私に?」
こくり、と脩が緊張した面持ちで頷いた。
「開けて、いいかな?」
もう一度、脩が頷く。
壊れ物を扱うように丁寧にリボンを解いて、ゆっくりと箱を開けると、ピンクゴールドの星が3つついた流れ星のようなネックレス。
「か、可愛い。脩、これすごく可愛いよ」
「気に入った?」
「うん。つける。今つける」
こんなに可愛いネックレスを脩が私を思い浮かべながら選んでくれたということでいいのだろうか。
ジュエリーショップに入るのは脩の性格上、照れ臭かったんじゃないだろうか。
店員さんに相談しながら選んでくれたのだろうか、などと勝手に想像を繰り広げてしまう。
携帯のカメラ機能で自分の首元に光る星を眺めると、嬉しくて目頭が熱くなった。
「ありがとう。私の1番のお気に入りになった」
「大げさな」
本当なのに。
脩は小さく笑った。