青夏ダイヤモンド
特進クラスは3年生になってもクラスは同じままなので、春休みを挟んだだけで、去年からの延長線上の顔触れ。
ただし、3年生とあって春休み中に受験生の意識を高めてきたクラスメイトも多くいるようで、また更にピリピリとした雰囲気が漂っている気がする。
「叔父さん、春休みまで手伝ってくれてほんと助かったって言ってたよ」
松戸さんの塾のバイトはクリスマス後も少し続けていて、春休みに新たに大学生を採用したけれど、春期講習と重なって忙しいからと春休みにも働かせてもらっていた。
「大学入って落ち着いたら、またどうかって。すっかり都のこと気に入ったみたい」
本来なら大学生しか採用していないので、期間限定がこの度解けた状態だった。
もちろん受験もあるし、働けたとしても断らざるを得ない状況だったけど。
私にとっても勉強になる居心地の良い場所だったから、大学に入ってもできそうなら、また働かせてもらいたいとも思った。
「都の教え子も無事みんな志望校に受かったんだってね」
「それは本人達の成果だよ。私はそのお手伝いをしただけ」
窓の外にはちらほらと新入生達が混ざって登校して来ている。
第一希望だったかどうかはさておき、希望に満ち溢れているようなオーラを身にまとっているように見える。