青夏ダイヤモンド


脩はそのまま部活に行ったらしく、翔馬くんのことも大学のことも話せなかった。

充希は沖田くんと進路のことを話したりしているのか聞くと、当たり前のように頷いた。

「流れで話しただけだと思うけどなー。脩だって、言い出しづらいだけじゃないの?遠距離になるってわかってるんだし、言ったところで都が進路を変えるわけじゃないでしょ?」

「そうだね・・・。沖田くんの口から先に聞いたのがショックなのかも」

「それは後で叱っておく」

自分がいかに今のことしか考えていなかったか思い知らされた気がする。

私達はずっと高校生でいられないのに。

卒業したら、みんなバラバラだ。

そんなことにも気づかないでいたなんて、どうかしてる。

グラウンドを横切ろうとすると、脩の姿を探す。

脩は最後の夏に向けて、一心に投球練習をしていて、私に気づくことはなかった。



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