青夏ダイヤモンド
「1年生が良いならこの先も安泰だねー。翔馬くん、頑張ってる?この前の練習試合、スタメン入って喜んでたよ」
「翔馬と話すことあるの?」
「廊下で合ったりとかするからその時に」
話を続けようとして絞り出した話題は脩の癇に障ったようだった。
「翔馬って、鷹野のトラウマ作った相手なんだろ?」
「何で、それ・・・」
「流れで知った。良く普通に話せるな?」
「あれは、翔馬くんのせいじゃないし、翔馬くんは気にしてないのに私が避けるっておかしいと思ったから普通に話してるだけだよ」
「吹っ切れてるってこと?」
「吹っ切ってるというか、翔馬くんとは別のこととして整理した、って感じ」
「意味わかんねー」
頭を掻きながら歩幅をわざとらしく大きくして私との距離を取ろうとするので、それを追いかける。
「何でよ。そうやって折り合いつけて、先に進んだらいけないの?私だって、いつまでも昔のことに囚われていたくないんだよ」
「割と軽いトラウマで良かったな」
何それ。
私は追うことをやめた。
脩との距離がどんどん広がって行く。