青夏ダイヤモンド
午後の授業が終わった後、すぐに教室を飛び出し、公園に向かった。
息を切らして公園に着くと、脩がベンチに座って既に待っていた。
「走るなよ、って言ったじゃん」
私の気持ちを先読みするように、メッセージに書かれていたのだけど、逸る気持ちを抑えることはできなくて、気づいたら全力疾走していた。
「だって、脩のこと少しでも1人にしていたくなかった」
息を整えながら脩の横に座ると、脩は私のことを横から抱きしめた。
「まだ、汗ひいてない・・・」
「またそれか。気持ち軽くしてくれるんだろ」
まだ汗のことが気になるけれど、私も遠慮がちに脩の背中に手を回した。
黙ったまま、しばらくそうしていた。
木漏れ日がチラチラと私達を照らし、そよぐ風が頬を撫でる。
私達の周りだけが切り取られたかのように、そこだけがゆっくりと時を刻んでいるようだった。
「・・・終わったんだな」
そう呟いて体を離すと、深く息を吐きながら手を後ろに付き、足を投げ出して空を見上げた。
「くそーっ。終わっちまったー」
今度は空に向けて吐き出すように大声を出した。