青夏ダイヤモンド
今日の休日は脩の家で4人でテスト勉強に励んでいた。
「くそー。何でここがこうなるかわかんねー」
頭を抱えていた沖田くんが遂にペンを投げ出してテーブルに突っ伏した。
「だから、この公式を使ってさ・・・」
「いいよなぁ、脩は頭いいから大学選び放題で。俺なんて、崖っぷちにいるのに」
「まだ崖から落ちてないだけマシだろ」
脩がノートを示していたが、沖田くんの集中力は完全に途切れたらしい。
「脩、ほんとに東京行くのかよ。俺、まだ信じられないんだよね。小学校から一緒だった脩がいなくなるとか」
「寂しいわけ?」
「そうなんかなー」
「うわ、マジかよ。キモい」
「脩はなんとも思わねぇの?脩だけここから抜けんだよ?」
「何だよ、突然。感傷モードかよ」
「4人で勉強するのもあと何回あるのかなーって思ったら、ちょっとなぁ。鷹野だって、寂しいっしょ?」
無関心を決め込んでいたけど、突如巻き込まれて返答に窮する。
「ねぇ、沖田くん。休憩がてらコンビニ行かない?私、飲みたいジュースあるの」
「あー、うん」
「2人の分も買ってくるね」
充希が気を遣って沖田くんを連れ出しのは目に見えた。
もしかしたら、何かしら釘を刺されるかもしれないことも予想された。