青夏ダイヤモンド
彼女らが修に戯れる態度に好意を感じた。
充希が言っていた通り、修は人気があるのかもしれない。
それも、一軍女子グループからだとするならかなりレベルが高い。
本来だったら修と私が会話をすることなんてなかったんだろうな、と漠然と考えていた。
「これからあたし達、遊びに行くんだけど修も行かない?」
「はぁ?お前ら勉強しろよ」
「うそっ、修が勉強しろとか言う!?」
「あたし達、明日の教科捨ててるんだー。だから問題なし」
「問題ありだろ。どっちにしろ、俺には関係ねぇから。行くならお前らだけで行けよ」
「付き合い悪ーい」
「俺が付き合い良かった時を教えてほしいね」
「自分で言ってるし!」
女子達はカラカラ笑って、「じゃあねー」と手を振りながら去って行き、空いた向かい席を5人で陣取った。
修の世界がそこにあった。
私は電車の中で話す修のことしか知らない。
他クラスのキラキラした女子達とあんなに普通に会話している修は別人のように見えた。
私が話すことのできない女子達と、修は自然に話せるんだ。
湧き上がるこの嫉妬心らしき気持ちは修に向けられているのか、女子達に向けられているのか、自分のことなのに全くわからない。