青夏ダイヤモンド
「私は脩の気持ちを尊重するよ。東京なんてすぐだよ。それに、脩が私の事を考えて揺らいでくれる時がある、って聞けただけで嬉しい。私だけが、寂しいと思ってるんじゃないかと思わなくてよくなった」
「そりゃ揺らぐだろ。俺、鷹野の事、鷹野が思ってる以上に好きだし」
自然な流れでお互いに顔を近づけると、階段を上がってくる音が聞こえて慌てて離れた。
「あら、帰ってくるの早かった?」
「別に」
帰って来た充希と沖田くんが元の席に座ると、沖田くんがお菓子を差し出して頭を下げた。
「ごめん、鷹野。デリカシー欠けてた。許してっ」
「おかげでいいこと聞けたので、逆にありがとう」
「いいこと?何?脩、何言ったの?」
「もお、そういうのだってば。言うのも憚れる甘い言葉に決まってるでしょ。食いつかないっ」
「そんなんじゃねぇよっ。勝手に想像すんなっ」
脩といるのも、この4人でいるのも、大切に、大切にしていきたいな。