青夏ダイヤモンド
部活を引退したので帰りは4人で電車に乗り込み、脩と沖田くんは途中下車して私と充希が残るという下校をしていた。
2人がいなくなった4人席の窓側で向かい合いながら最寄り駅まで充希と話をするのが日課になっている。
「ひとみさんねぇ」
自分の膨れ上がった不安を抑えることができずに、充希にファミレスでの出来事を話し始めた。
「大学に行ったら女友達もできると思うけど、不安な気持ちもわかるなぁ」
「入学前にやり取りするなんて、相当意気投合できたんだと思う。脩、取っつきにくいハンデあるのに」
「彼女が言うか、それ」
「脩のあの無愛想具合で助かってる部分絶対あると思う。じゃなかったら、もっと告白とかされてそう」
「見た目はイケメン部類だもんねぇ」
でも、実際のところは優しくて、そんな脩のギャップに気づかれてしまったら、ライバルが増えてしまうんじゃないかと不安になってしまう。
「後押しするって決めたのに、決意が脆すぎるよ。こんな些細なことでも嫉妬しちゃうんだもん」
「嫉妬するのは仕方ないよ。好きなんだから」