青夏ダイヤモンド
駅までの道のりを歩きながら、嫌悪感でいっぱいだった。
脩のことを信じていないことを晒すようで、黙っていると、脩は小さく息を吐いた。
「不安になった?あと半年くらいしか一緒にいられないしな」
「・・・ごめん。応援するっていうの本当なんだけど、やっぱり考えちゃうんだ。脩がいなくなったらどうなるのか、脩が変わったりするんじゃないかって。想像しだしたらキリが無いってわかってるんだけどね」
「俺、そんなに信用無い?」
「そうじゃないの。これは、私の問題なだけで、脩は悪くない」
激しく首を振り否定すると、ふわりと頭の上に脩の手が置かれる。
「不安なのは鷹野だけじゃない。俺も同じ」
「脩、も?」
「すげぇ、勝手なのはわかってるけど、鷹野が今言ったようなことで不安になるのは俺も同じ」
「脩は、ちゃんと将来に向けて進んでて、離れることの不安なんて無いのかと思って」
「あるに決まってるだろ。できれば鷹野とずっと一緒にいたいって思ってる。でも、東京に行くって決めたのは俺なんだから、そんなこと言えるわけないだろ」
脩の言葉によって、私の気持ちが軽くなっていくようだった。
私は脩の手を握り、脩のことを見上げる。
「そういうの、聞きたい。脩が不安に思ってることとか聞いたら、逆に安心できる気がする。私だけじゃないんだ、って思える気がする」
「わかった。鷹野も言えよ。隠したってバレるんだから」