青夏ダイヤモンド
「後ろの女子。鷹野ともつるんでんじゃねえの?」
私と彼女らが一切絡まなかったことを不自然に思ったのだろう。
後ろの女子、とは多分充希のことだ。
確かに充希とは特に最近まで良く行動を共にしていた。
でも、それは充希があの5人グループからあぶれていた期間。
女子の奇数グループはいろいろ複雑らしく、頻繁に誰かが外し外されが起こる。
それはある日突然訪れて、突然終わり、そしてまた対象者が変わって始まる。
処方箋の無い流行り風邪のように起こる女子グループの中のローテーション。
次は誰が外れるかはわからない。
グループにいる時には教室を我が物顔で1番後ろの席ではしゃぐけど、外された1人は同じ人かと思うほど、大人しく生活をし始める。
彼女らは1人になった時、隠れるようにコソコソと生活したり、避難場所に避難したりする。
いつかはほとぼりが冷めるから、じっと1人でその時を待ち続けるか、突然構っても突然離れても害が無い人のところへ。
充希にとっての避難場所が私だった。