青夏ダイヤモンド
脩を見ているうちに、もう一つ、謝ろうと決心して、唇を噛んだ。
「この前、ファミレスで勉強してた時に、脩の携帯に届いたメッセージ、見ちゃったの」
「あの、挙動不審だった時か」
バレていたのか、と自分の無意味な行動が恥ずかしくなった。
「ひとみさん、って誰?」
「ひとみ?あー、大学のオープンキャンパスで出会った奴。話が合って、その後も情報交換とかでやり取りするようになった」
その人も、脩と同じ大学を受けるのか。
2人共受かったら、やっぱり仲良くなるのかな。
「あーっ。ごめんっ。またネガティブ」
こういうことを無くしたいのに、脩と分かり合った側からこれだ。
激しく頭を振って考えたことを追い出す。
「もしかして、勘違いしてね?」
「勘違い、というと?」
「ひとみ、って男なんだけど。人見って苗字」
「え・・・、そうなの」
瞬きを忘れ、ぽかん、としていると、脩が吹き出した。
「わ、笑わないでよ。こういうのも不安になっちゃうんだよ。脩、結構モテるってわかってないの?」
「いや、悪い」
肩を揺らしてまで笑いを堪えている脩の腕を殴る。
「妬いてたんだ?」
「・・・そうだよっ」
顔が赤くなってるのがわかるから、それを悟られたくなくて、顔を背ける。