青夏ダイヤモンド


学校に辿り着くと、玄関前には人だかりができていた。

クラス替えが貼り出されているので、その前で生徒達が歓喜の声や落胆の声を出して落ち着きがない状態だ。

私はその様子を横目に、素通りして靴箱を開ける。

私の場合は既にクラスが決まっているので、クラス替えを見る必要がない。

一喜一憂する楽しみはなくなるが、そもそも私にはそんな気持ちになれる程の思い入れが前のクラスやクラスメイトには無いから、結局平坦な気持ちで受け入れるだけだったかもしれない。

人を掻き分けて、自分の名前を探す煩わしさを省略できて良かったくらいだ。

私は階段を上がり、特進クラスの教室に入る。

2年生になると、成績上位者が希望すれば特進クラスに入ることができる。

授業数も増えるが、大学を受験するなら入っておくことにこしたことはない。


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