青夏ダイヤモンド


静かだった教室の中で沖田君の溌剌とした声が響く。

クラス替え直後の教室内は再会を喜び合うような場面や、辛うじて知り合いに出会って恐る恐る声をかける場面や、正面を向きながらもクラスメイトの人間関係を把握しようとしているような場面を見ることになると思っていた。

人がまだ集まっていないこの教室では一人一人が席に座って声をかけられるのを待つような雰囲気があったけれど、まさか自分に声をかけてくるような人がいるとは思わなかった。

それも、ほぼ会話ゼロの人から。

いや、これは沖田君自身の特性によるものがかなりある。

普通、電車で見かけただけの相手に、こんなにフレンドリーなコミュニケーションなんてとれない。


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