青夏ダイヤモンド
「おー!ねぇ、来て来て。鷹野も特進!」
沖田君は教室の後ろに向けて手招きをし、仲間を呼び始めた。
ちょっと、もう目立たないでほしい。
「はぁ。何で、侑哉が特進なのかね。お前、なんか不正しただろ。正直に言ってみろ」
「そうです、すみません、実は・・・、ってんなわけないじゃん!やればできる子なんだよ!全部俺の実力!」
漫才のようなことをやっている相手。
思わず振り返ると、欠伸をしながら気怠そうに後ろの自分の席に座る修がいた。
「朝からこいつに絡まれてんの?ウザいならウザいって言った方がいいぞ」
「え!?俺、ウザいって思われてる!?」
「賑やかだなーって思ってるだけだよ」
縋るように見つめられて、ウザいなどと言える強靭な精神力はしていない私は曖昧な言葉で返した。
「でしょー?」
どうやら良いように捉えたらしく、修の横に立ち、ドヤ顔を披露し、修の方は煩わしそうに顔をしかめた。