青夏ダイヤモンド
まさか、修が特進クラスに来るとは思わなかった。
授業数が増えるから、必然的に部活の時間は普通クラスよりも減ってしまうので、特進クラスの生徒には帰宅部が多く、部活に入っていたとしても気が向いたら顔を出す程度で許される部活に入っている生徒が多い。
修が成南のエース候補と言われているとしても、野球で大学に行くのもプロに行くのも簡単ではないだろうし、そもそも修がそれらに値する実力を持っているのかも、私はわかっていない。
「都。おはよう」
今日はどうしたというのか。
去年一年を掻き集めても、こんなに声をかけられたことはないかもしれない。
振り返ると充希が立っていて、私は目を見開いたまま固まってしまった。
「都も特進クラスだと思った」
「え・・・。どうして、充希が?谷口さん達は?」
充希は谷口さん達といつも一緒の仲良しグループ。
谷口さん達は勉強が嫌いで成績はいつも下位で、特進クラスにも興味があるとは思えなかった。
思わず、どこかにいるのかと探したが、充希は谷口さん達と一緒の時には私には話しかけてこないことを思い出す。