青夏ダイヤモンド


昼休みに入り、机の上にお弁当を広げていると、充希が遠慮がちに自分のお弁当を持って「一緒にいい?」と確認してきた。

「もちろんいいよ。何で、わざわざ聞くの?」

「だって、自覚あるから」

「何の?」

勿体つけるようにして、充希はゆっくりとした動作で私の前の席に座る。

「都のこと、都合良く思ってたこと」

そうだとは思っていても、面と向かって言われると、そう愉快なものでもなかった。

もっと安易に捉えているのかと思ったのに、充希の声のトーンからすると、思い悩んでいたように見える。

「1人になりたくなくて、都を利用してたんだよ、私」

「知ってたよ」

気づいていないと思ったのか、充希はただでさえ大きな目を大きくした。

「一時避難場所だって自覚してたから、傷つくことなんてなかったし、充希が思ってるほど、多分私はそれほど深く考えてはない」

充希は口を半開きにして、ぽかんとしていたけど、安心でもしたのか瞳を潤ませた。


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