青夏ダイヤモンド
好きだから気になる、とかそういう感情ではない。
単純な好奇心。
無愛想で口も悪いのに、何故か周りに友達が集まってくるところとか、情熱に欠けそうなのに、野球を好きだって恥ずかしげもなく人に話せるところとか、本当に、この人どんな人なんだろうって、純粋に興味が湧く。
「修は絶対やめておいた方がいいからね」
「何でそんな充希が必死になるの?」
「都のこと思って言ってるんだから。美穂、修のこと好きなんだよ」
「私ですら知ってるわー」
谷口さんは中学から修のことが好きで、告白を2回しているけど、どちらも断られていて、それでもまだ好き。
修のことを好きかもしれない女子がいれば、すぐ目の敵にされてしまうから、修のことを表立って応援したり好意を寄せることはしてはいけない。
そんな、暗黙のルールがあることには何となく気付いていた。
女子が近づかなければ、修を自分のものにできると思ってるんだろうか。
いっそのことなら、誰とも付き合わずに1人でいてほしいんだろうか。
そうだとしたら、あまりにも身勝手で幼稚だ。
でも、それが修をとりまくルール。
グループで最も強い人種だけは、どんなにおかしなルールを作ったとしても許され、従わせることができてしまう。