青夏ダイヤモンド
話を長引かせるつもりはなかったのに、グラウンドの前で2人して立ち止まることになってしまった。
サッカー部の方では彼女らしき人達が手を振ったりしているから、このままここにいると、目立ってしまう。
「あぁ、修のこと?」
「あ、そんな名前」
「そんな名前って、一応私達と同じ1年だよ?」
「え、知らない」
「うそー。意外とファン多いよ。顔、結構かっこよくない?」
「そう、かなぁ?」
怒りの方が勝っていたから、顔をちゃんと見ている余裕がなかった。
「秋の大会で怪我しちゃったけど、私らの代のエースだって言われてるし。そういう肩書きってモテるじゃん」
「怪我?」
「うん。相手選手と接触したとかで、足やっちゃったんだって。そんなに酷くはないらしいんだけど、練習参加してないってことはまだ治ってないんじゃない?」