憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
部屋にある大量の右腕も、鏡の外の世界では右腕じゃなくて左腕ってことになる。
逆に、一本だけあった左腕が、本物の右腕のはずだ!
あたしは左腕に向かって思いっきり手を伸ばした。すると同時に、
「ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛……!!!!!!!!」
憑霊は発狂しながら猛獣のようにあたしに飛びかかる。
「うわぁぁああ!!」
あたしは声をあげながら憑霊の突進を紙一重でかわし、左腕をつかんだ。
なおも憑霊はあたしに触れようと手を伸ばす。あたしは憑霊に左腕を向け、
「“右腕”返す、あたしの勝ち!!」