憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「……だからこれ以上、二人は憑霊ゲームに関わらない方がいいよ。……それに四日間のゲームが終わるまでは、学校でもなるべくあたしと一緒にいない方がいい…」
今回のことで分かった。憑霊ゲームには関わるだけで危険なんだ。
もしあたしに協力して憑霊の恨みを買えば、今度こそ二人は殺されてしまうかもしれない。
もうこれ以上、あたしなんかのために危険な目に合わせるわけにはいかない。
「じゃあ、あたし帰るから…」
そう言い、あたしは持ってきた荷物をまとめた。
「えっ、こんな夜中にすか…?」
英美が心配そうに言った。
「うん。……しばらくひとりになりたいし…」
そう言い残して、あたしは由梨の家を出た。
由梨と英美は何か言いたそうな顔をしていたけれど、黙ってあたしが出ていくのを見送った。
「なんであたし、
こんなことになっちゃったんだろう…」
夜道を歩きながら、あたしはそう呟いた。
ふと夜空を見上げると、藍色の空に月が鈍く光っていた。じっと見つめていると、月は黒い雲に隠れた。はぁ…とため息をつき、視線を地面に戻す。
家に帰って布団にもぐってからも、二人があたしを見て怯える表情が頭から離れなかった。
夕ご飯の時までは、みんなでカレーを作ってあんなに楽しく過ごしていたのに。
ツンとした痛みが、胸を刺した。