憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
☆☆☆
次の日、あたしはいつものように学校に行った。
「あたしと一緒にいない方がいい…」とか自分で言っておきながら、家で一人ぼっちでいるのは耐えられなかったからだ。
「はぁ……」
とはいえ、学校へ向かう足取りは重かった。
昨日、あんなことがあったせいで英美と由梨にどういう顔して会えばいいのか分からなかった。……多分、会ったら無視されるとは思うけれど。
校舎に入り、あたしは教室の扉の前に立ち尽くした。時間的にも、二人はとっくに学校に来ているはずだ。
「いつまでも、ここでぐずぐずしてられないしな…」
あたしはためらいつつ教室の扉を開いた。
すると、
「お願いします!! 知ってることなら何でもいいんす!! 憑霊ゲームのことオレに教えて下さい!!」
「え、英美!?」
教室で英美がペコペコと頭を下げながらクラスメートに憑霊ゲームのことを聞いていた。
「って、言われても、私、あんまりオカルトとか詳しくないしなぁ…」
「私も。……興味ないし」
英美はいつもは滅多に話さないグループの子にまで聞いてまわっていた。すごく必死な感じで、クラスメート達も若干引き気味だった。
「ちょっと英美! こっち来て!」
「あっ、七海さん来てたんすか!? おはようございます!」
「いいから!」
あたしは英美を引っ張って外の廊下に連れてきた。