憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~

「あれ? おまえらまだいたのかよ。とっくに下校時刻過ぎてるぜ?」


同じクラスの赤羽美花(アカバネミカ)が声をかけてきた。その後ろには美花の親友の水島祐希(ミズシマユウキ)もいる。


「これから帰るところだよ。二人こそ、こんな時間までどうしたの?」


あたしが聞くと、


「美花がまた掃除サボって鈴木先生に呼び出されたの。なぜか私まで巻き込まれてね。今月でもう6回目なんだよ」


祐希があきれた様子で言い、美花を肘でつついた。祐希は清楚系アイドルみたいなルックスで、クラスでもアイドル的な存在だ。


美花は「ちっ、うるせぇな」と舌打ちをし、


「大げさなんだよあのババア! 掃除ぐらい、別に私がやらなくても十分できんだろ。やりたい奴だけやってろっての!」


やさぐれた感じで言った。赤髪にポニーテール。男勝りな美花は校内でも有名な不良だ。まぁ、本当はけっこういい奴なんだけどね。


「ねぇ二人とも、ちょっと聞いてもいいかしら?」


由梨が美花と祐希に言った。


「ん? なんだよ?」


「憑霊ゲームって、二人は聞いたことある?」


「憑霊ゲーム?」


二人は口をそろえて言った。
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