憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
憑霊ゲームの夢を見たって? ……つまり、凪瀬校にはあたし以外にも憑霊ゲームに巻き込まれた先輩がいたってこと?
本当なら、これ以上ない情報だ。詳しく知りたい!
「祐希っ! その先輩は今どこにいるの!?」
あたしは食いぎみで祐希に迫った。祐希はちょっと困った様子で顔を引いた。
「えっと、そのとき三年生だったから、去年、卒業しちゃったはずだけど」
「えっ、そうなの…」
「連絡先とかは、交換してないんすか!?」
英美が言うと、
「んと、どうだったかな? ちょっと調べてみるね」
祐希はスマホを取り出した。
「は、はやくお願いしますよ!」
英美は待ちきれない様子で言った。
「う、うん?」
祐希はスマホの電話帳のアプリを開いた。
「えっと、沖田さんは、と……」
そう言い、祐希はスマホをスワイプする。
「ちょっと待って祐希。
……その先輩の名前、沖田って言うの?」
まさかと思い、あたしは祐希に聞いた。
「うん。そうだよ。
フルネームだと、沖田恭子さん」
「えっ、嘘っ…!?」