憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
沖田恭子……!?
それって、恭也のお姉さんじゃん!!
「七海、知り合いなの?」
あたしの様子を見て由梨が耳打ちした。
「うん。……ていうか、恭也のお姉さんだ」
「えっ、本当に!?」
去年三年生なら年齢的にも間違いない。
たしかに前、恭也が自分のお姉さんが凪瀬校のOBだとは話していた。それに恭也が憑霊ゲームの話を聞いたのも、そのお姉さんからだ。
でもまさか、恭也のお姉さんが憑霊ゲームを経験していたなんて。
……うまく言えないけれど、不思議な偶然を感じた。
「あっ! あったよ。連絡先」
祐希がスマホを見せた。そこには『沖田恭子』の文字があった。
「いや、もう大丈夫。
それよりありがと! 本当に助かったよ!」
あたしは祐希の手を握った。
「え? う、うん。よかったね」
「じゃあ、あたし達そろそろ行くから」
あたしと英美、由梨は教室の扉に向かった。
「なんか知らねぇけど、頑張れよ」
美花が教室を出る前に声をかけた。
「うん! 美花もありがと! じゃあね!」
そう言い残してあたし達は教室を後にした。祐希と美花は不思議そうな顔であたし達を見送った。