憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
霊能力者
☆☆☆
それからあたし達は恭也の家へと向かい歩いていた。もちろん、恭子さんに会いに行くためだ。
「にしても、最後にすごい情報を手に入れましたね! これが本当なら、憑霊に勝つ方法も何か分かるかもしれませんよ!」
英美が言った。
「うん! そうだね!
ほんの少し、希望が見えてきたかも!」
あたしが言うと、ちょうど道が十字路に差し掛かった。すると突然、由梨が「あっ、ちょっと待って!」と立ち止まった。
「どうしたの由梨?」
あたしと英美も立ち止まり、由梨の方を見る。
「恭子さんに会う前に、ちょっと行きたい場所があるんだけど、いいかしら?」
「いいけど、どこに?」
そう言うと、由梨はスマホを取り出した。
「昨日、ネットで心霊について情報収集してたらね。偶然、すごい記事を見つけて…」
由梨はスマホで誰かのブログの記事を見せた。
「記事によると、この近くにいるらしいのよ! 自称日本最強の……凄腕の霊能力者が!」