憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
☆☆☆
あたし達と恭子さんは近くのカフェに行った。四人とも同じコーヒーを頼み、あたしが恭子さんに会いに来た目的を告げると、
「……ちょっと勘違いがあるみたいね」
恭子さんは言った。
「勘違い、ですか?」
「憑霊ゲームの夢を見たのは……私じゃないわ」
「えっ? でも祐希が…」
「祐希? ああ、あの目がぱっちりしてて可愛い子ね」
「はい。その子が恭子さんが話してるのを聞いたって」
「…? 私が祐希ちゃんに言ったのは、私の友達が憑霊ゲームの夢を見たって話だけど」
「……えっ、じゃあ……」
祐希の勘違いだったってこと!?
あたし達は顔を見合せ、がっくりと肩を落とした。
「……ほら、祐希ちゃんって、なんというか時々、すごく抜けてるところがあるでしょ? それで多分、聞き間違えたんだと思う」
のほほんとした表情で「えへへ」と笑う祐希の顔が浮かんだ。
「……うーん。たしかに」
あたし達は三人同時にうなずいた。
それから恭子さんはコーヒーを一口飲み、
「……その友達はね。高校時代、あたしの一番仲の良い親友だったの」
憑霊ゲームの夢を見た友達のことを話し始めた。