憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「私ハ……!!!!!!!!
オマエガ憎イッッ…!!!!!!!!」
憑霊は園内の音楽を打ち消すような金切り声で叫んだ。
「………うぐ、ぁあ……」
ギシギシと憑霊の指があたしの首に食い込む。呼吸ができず、顔が真っ赤に紅潮し、「うぐぇっ…」と口から液体が滴る。
「や、め………」
憑霊の手を握り、あたしがそう口にすると、憑霊は首から手を離した。
「ごほっ、ごほっ…!!」
地面にうずくまりあたしは咳き込む。そんなあたしを憑霊は上から見下ろし、ピタリと動きを止め、
「ジューウ、キュー、ハーチ……」
淡々と、さっきまでの激昂が嘘のように、数え始めた。
ゲーム開始の合図だ。
あたしは息を切らせながら立ち上がり、園内を走っていく。首にはジーンとした鈍い痛みが残った。
……やっぱり、憑霊と話し合うのは無理だ。例えあいつとあたしに、血の繋がりがあったとしても…。
走りながら、あたしはそんなことを思った。