憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「私はね。……大女優の娘の七海と仲良くしてれば、少しは私のステータスになると思ってたの。
……それなのに何? 七海が無理矢理犯されて生まれた子供だったなんて……考えただけでゾッとするわ…」
ブォォン!!!! と由梨のチェンソーから音がする。
「……それ、本気で言ってるの…?」
あたしが言うと、由梨はふふっ…と笑い、
「……ええ。でも安心して。
最後は私達の手で終わらせてあげるから…」
そう言い、英美と一緒に歩み寄る。
「ずっと望まれなかった七海の……穢れた命をね…」
由梨は、平然と当たり前のように……そして、親友の声で……あたしに言った。
「………っ…」
愕然とし、膝が震え出した。
二人の口から、最も聞きたくなかった……そして、最も恐れてきた言葉だ。あたしは顔を真っ青にし、耳を塞ぐ。
……違う!! これは夢なんだ!!
こいつは英美じゃない!!
こいつは由梨じゃない!!
迫り来る着ぐるみの二人を前に、あたしは心の中で叫んだ。