憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「それにしても、今日の夢は妙にリアルだなぁ…」
起きているときと変わらないくらい意識もはっきりとしているし、まるで本当に学校にいるみたいだ。
そんなことを考えていると、どこからか女の不気味な声が聞こえてきた。
「ハージメヨ。ハージメヨ……」
その声は歌うように繰り返しながら徐々に大きくなっていく。
「な、なに…?」
思わずじっと身構える。すると足音だろうか? 声に混じって、ドン、ドンッ…!という鈍い音が聞こえてきた。
何かがこっちに近づいてくる。
それもたぶん、悪夢に出てくるような……普通じゃない“ナニカ”が。