憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
それからピンクのパーカーと白いショートパンツに着替え、下におりた。
英美はあたしを連れて、急いで恭子さんの(恭也の)家に向かった。
「ねぇ、何があったの!? いい加減教えて!」
あたしが走りながら聞くと、
「オレも詳しくは……でも恭子さんの家に警察が集まってるらしくて、昨晩、恭子さんの家で何か事件があったみたいなんです」
英美は息を切らせながら答えた。
「……昨晩って?
まさか憑霊ゲームと関係があるの…?」
嫌な予感が胸を過る。
「まだ何とも言えないっす! 今は急ぎましょう!」
それからすぐに恭子さんの家に到着した。
家の周りには黄色い規制線がはられ、そこにはすでに人だかりができていた。
あたしは祈るような気持ちで家に近づく。
すると規制線から少し離れた場所に制服を着た由梨の姿があった。
由梨は不安げにキョロキョロしていて、あたしが来たことにはすぐ気がついた。
「七海っ!」
由梨はあたしに駆け寄り、手を握った。
その瞬間、英美の時と同じく、遊園地のことがフラッシュバックし、体がビクリと震えてしまった。
由梨はそんなあたしの反応には気がつかなかったらしく「よかった! 無事だったのね!」と安心したように言った。
「由梨、恭子さんは…?」
不安げにあたしが聞くと、由梨は「それが…」と口にしたきり口をつぐみ、表情を暗くした。